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教員インタビュー 永谷 智恵 学科長(看護学科)

1.ご自身の専門分野について教えてください。

 小児看護学を担当しています。 小児看護は子どもの看護と思われている方も多いと思いますが、成育医療の観点から、お母さんのお腹の胎児から青年期までの幅広い年齢層にある「子どもとその家族、そして地域社会」を対象としています。

2.大学で主に担当されている教科と、学生教育に対する取り組みについて教えてください。

 主な担当は小児看護学概論や小児看護活動論です。

 子どもの健康や成長発達は、家族や地域社会の有り様により直接的影響を受けています。

 少子高齢化の進行や核家族化・家族形態の多様化の中、育児の不安を抱える親や子どもへの暴力、育児放棄などの虐待が増え続けています。学校ではいじめや不登校、10代の自殺者の増加も社会的問題として問われ続けています。さらに、最近の自然災害は社会全体を揺るがし、子どもの心身への影響を与え生命をも脅かしています。

 小児看護学は、子どもを取り巻く家族や社会の変化を見つめながら、子どもの健やかな成長発達と、子どもと家族の健康の維持増進のため看護支援を行うことを目標としております。授業では、子どもの成長発達の特徴を教授後、子どもウオッチングレポートにより自ら学び理解するとともに、家族や社会環境による子どもの健康への影響を説明し、現在社会における小児看護の在り方・役割について学修していきます

3.現在取り組まれている研究内容について教えてください。

 医療的ケアが必要なお子さんの支援に関する研究です。人工呼吸器などの医療的ケアを必要としながら在宅で生活している子どもたちが増えています。子どもは成長すると保育所や学校に通いますが、医療的ケアが必要なお子さんは看護師が常駐する特別支援学校が入学の対象校となります。しかし、北海道のように広大な地域は、近くに通学できる特別支援学校がないため、子どもが暮らす地域の学校に入学することになります。さらには、医療的な処置を必要とするため、看護師の付き添いが必要となります。

 私の研究は、そのような医療的ケアが必要なお子さんが安心して学校生活を送れるように、看護師と教員の連携や協働、支援のありかた、支援システム作りなどを行なっています。今は、まだ調査の段階ですが、北海道内の過疎地域や東北方面にも出向き、医療的ケアに携わる看護師、学校の先生、家族の方々などに、支援の実際や連携、課題や要望などインタビューを行い、いろいろと教えてもらっています

4.名寄市立大学の学生に対する印象。

 学生の皆さんは、とても真面目な方が多いという印象です。多くの学生は、ご自身のエピソードから、管理栄養士、社会福祉士、看護師、保育士など、自分の将来像を描き、明確な目的意識をもって学ばれていますので、授業中も実に真剣です。良い意味でプッシャーがかかりますが、
できるだけ皆さんの真剣さに応えたくて事前準備も気合を入れています。
 また、大学生活の中ではバイトに力が入り、バイトが中心になって疲れ果てている方もいますので、本業を大事にして生活をコントロールしながら、頑張ってほしいと思っています。心身の健康が第一です。
 

5.名寄市の印象はどうでしょう?良いところ悪いところ含めて教えてください。

 私は5年前に名寄に来ました。急に静かな環境に入ったので寂しさも感じましたが、今では、研究室からみえる田んぼの水面や遥かに続く山並みが、ここで生活する豊かさを感じさせてくれています。
 冬は、雪が多く寒さも厳しいですが、夜道を歩くと雪が外灯に反射してキラキラの世界が広がります。
 夜空を見上げると星も輝くきれいな街です。
 

6.これから大学を選ぶに際して名寄市立大学を希望する高校生の皆さんへメッセージをお願いします。

 とっても田舎の大学ですが、学生と教員との距離が近いので、気兼ねなく研究室に訪問して、教員と話ができる大学です。先生たちは皆さん専門性が高く、教育には親身で細やかですので、学びたい方は、ぜひ名寄市立大学にお越しください。お待ちしています。

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