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大見 広規 教授(栄養学科)

 名寄市立大学教員紹介のコーナーでご紹介するのは、保健福祉学部・栄養学科の大見 広規(おおみ ひろき)教授です。大見教授は、1985年に旭川医科大学を卒業され、1992年に旭川医科大学で博士(医学)を取得を取得されています。1985年~1993年まで、小児科医をされながら、薬理学講座で研究をされ、1993年~2005年までは、北海道の保健所等で公衆衛生行政に従事されています。2005年に名寄市立大学に着任され、学生教育と研究活動にとり組まれています。
 教育活動では、栄養学科のみならず、全学科の医学関連科目を幅広く担当されています。また研究活動では、健康科学の分野で母子保健(特に周産期についての疫学研究)と青年期の健康管理(保健福祉センターでの学生等の健康管理を通じて)について研究をされています。また、研究分野でもおわかりのとおり、保健センター長として、名寄市立大学の学生の健康について、ご尽力をされています。

大見教授

1.ご自身の専門分野について教えてください。

 赤ちゃんが生まれる前後の健康について、統計学を使った研究をしています。また、保健福祉センターで学生さんの健康管理をしながら、青年期を健康に過ごすための支援についても研究をしています。

2.大学で主に担当(補助)されている教科と、学生教育に対する取り組みについて教えてください。

 担当科目は、下記の表のとおりとなります。全学科の専門基礎の部分(医学関連)を幅広く担当しています。
この分野はどんどん内容が新しくなるので、大学で学んだことは、将来「うそ」になることも多いと思います。総合的、批判的にいろいろな情報を自分で構築できることが必要とだと思います。目の前の国家試験というより、卒業後、保健・医療・福祉の専門家としての視点を養ってほしいと考えます。講義は資料、プレゼンを多用して、色々な視点や考えを提供したいと思っています。・・・まあ、気楽に聴いてください。

学科 学年 科目
栄養学科 1 公衆衛生学、生理学
2 生化学Ⅱ、公衆衛生学実習、(薬理学)
3 健康管理論、健康管理論実習
4 卒業研究、(教職・総合演習)
看護学科 1 公衆衛生学
2 薬理学
3 保健福祉行政論
社会福祉学科 1 公衆衛生学
児童学科   子どもの保健Ⅰ

3.現在とり組まれている研究内容について教えてください。

 現在取り組んでいる研究は、下記のふたつの研究になります。
1. 周産期についての疫学研究
1970年代以降のわが国の低出生体重児出生割合増加と、出生性比の変化(もともと多い女児の割合がさらに増している)が、胎内環境の悪化による可能性を人口動態統計などで指摘してきました。胎内環境の悪化、あるいはその指標となる出生体重の低下は、胎児プログラミング仮説、あるいはDevelopmental origin of health and disease (DOHaD)の考えではエピジェネティックなメカニズムで、成人後の肥満や心血管疾患と関連があるとの指摘がされてきています。そこで、学生の皆さんの協力を得て、母子健康手帳の胎内、あるいは幼小児期の成長の記録を提供してもらい、入学時の健康診断の結果で得られた肥満度や血圧との関連を統計学的に検討しています。その結果、出生時の肥満度が少ない、乳児期初期に急激にキャッチアップしている(小さく生まれて大きく育った)ことが、現在の肥満、高血圧と関連があることがわかりました。
2. 青年期の健康管理に関する調査研究
保健福祉センターで、学生の皆さんの健康管理に従事していますので、集団生活における麻疹などの感染症対策、学生自身で健康を守るセルフケアについての意識、喫煙についての意識調査、デートDVなどメンタルヘルスに関すること、女性が多いので性周期特有の月経困難症や月経前症候群に対する意識など、幅広く青年期の健康管理についての意識調査を実施しています。

大見教授

4.名寄市立大学の学生に対する印象を教えてください。

 素直で、まじめで、おとなしい学生が多いですね。女性が多いことも関係しているのでしょうか。

5.名寄市の印象はどうでしょうか??良いところ悪いところ含めて教えてください。

 どこに行っても本学の学生さんがアルバイトしていますね。小さな町なのでよいことも悪いこともあります。
私は単身赴任族で週末は札幌に帰っているので、ある意味でその間は開放されているのかな?

 

6.これから大学を選ぶに際して名寄市立大学を希望する高校生の皆さんへメッセージをお願いします。

 本学は積極的に研究者を養成するような大学ではなく、職業人を養成する大学なので、目的意識がない人はつらいでしょう。保健医療福祉の仕事は、安定しているからというだけではなかなか続けられないと思います。やはり3K(きつい、汚い、危険)といった面がありますので、保護者の勧めというだけではなく、自ら目的意識を持って臨んでくれたらと思います。保健福祉センターでの相談では、不本意入学や入学初期の不適応を引きずって悩んでいる学生さんにしばしば出くわします。

大見教授

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