今野 道裕 教授(児童学科)
名寄市立大学教員紹介のコーナーでご紹介するのは、短期大学部・児童学科の今野道裕教授です。今野教授は、2006年に名寄市立大学に着任され、児童学科の科目を担当されながら学生教育と研究活動に取り組まれています。
研究活動では、子供の遊びに関わる絵本やおもちゃの研究を主なテーマとしています。今野教授は、人形劇にも深い関わりを持っており、現在もひとり人形劇団を主宰して、名寄以外の地域においても数多くの公演を行い、多くの子供たちを楽しませています。
1.ご自身の専門分野について教えてください。
「児童文化」の分野を受け持っています。特に、「人形劇」(私自身、一人人形劇団「オホーツク風雲ワクワク団」として、現役の人形劇人です)「おもちゃ」「遊びについて」が専門です。
2.大学で主に担当されている教科と、教育に対する取り組みについて教えてください。
「児童文化」「児童文化演習」「図工1」「表現3(造形)」「芸術文化論」等を受け持っています。
「児童文化」と「児童文化演習」は、人形劇や影絵、伝承遊びなど、子どもの遊びを理解し実際にやってみて学びます。特に「児童文化演習」は後半絵本作家のあべ弘士さんが担当している魅力的な内容となっています。「図工」「表現」は、主に図画や工作を実際に制作してみたり、子どもに教えるときに考えなければならないことを学んでいます。「芸術文化論」は絵画や児童文学・演劇など芸術に関する一般的な知識を私の体験をふまえながら講義しています。
28年間小学校の教員だったので、大学でも「教授」ではなく「先生」でいたいと思っています。気軽に研究室に入ってこられるようにさまざまな「しかけ」をしています。また、私物の絵本等も学生に貸しだしたり、ミニ展示などを行ったりして、意欲的に学ぶ学生を支援したいといつも考えています。
毎年、児童学科の2年生は「卒業公演」を行っています。児童劇を2作上演するのが恒例となりつつあります。私は、その脚本を書いています。演出・美術、ときには挿入歌にも関わっています。今年は「すてきな3にんぐみ」と「11ぴきのねこ」を上演しました。演劇の上演には大きなエネルギーが必要ですが、学生のみなさんのがんばりに力をもらっています。
3.現在とり組まれている研究内容について教えてください。
『だるまちゃんとてんぐちゃん』『からすのパン屋さん』等で有名な、絵本作家の加古里子氏について調べています。私自身も小学校教員時代に人形劇や学芸会の劇脚本の原作としていろいろ絵本を活用させてもらいました。加古氏はまた、子どもの伝承的遊びの収集家・研究家でもあります。加古氏の集めた資料・文献から、「子どもの遊びとは何か」が見えてくるのではないかと思っています。
今後研究を深めていきたい分野として、「おもちゃ」があります。「木育」という言葉が生まれていますが、木のおもちゃは子どもの心を豊かにする力があります。木のおもちゃを中心に、おもちゃの役割や今後の課題などについて調査・研究してみたいと思っています。
4.名寄市立大学の学生に対する印象を教えてください。
大変まじめで意欲的だと思っています。児童学科も保育所・幼稚園・児童養護施設での実習があり、とても忙しく学んでいますが、専門科目の勉強ばかりでなく、ボランティアやサークル活動にも熱心ですね。
毎日自然に交わされる挨拶のすてきなところも名寄の学生のよいところだと思います。
5.名寄市の印象はどうでしょうか??良いところ悪いところ含めて教えてください。また、おすすめスポットなど有りましたら教えてください。
名寄の冬は、寒い!でも、ほとんど吹雪くことがなく寒さが気持ちよいくらいです。道路の広さにもびっくりしましたが、冬になっての大雪で納得しました。(でも除雪もしっかりやってくれていて助かってます)
おすすめスポットは何と言っても「北すばる天文台」ですね。施設もすばらしいですが、何でも答えてくれる優しい学芸員さんがいるのが特にいい。
道立サンピラーパークにあるカーリング場でカーリングを体験してほしい。楽しいです。ちなみに児童学科には、長野オリンピック選手だった敦賀信人さんが教えてくれる「カーリング」の授業(集中講義)があります!
また、風連地区から智恵文地区までの農村地区に私や学生も関わった「巨大名画(ミレー)」があるので、チャンスがあったら探してみてください。
6.これから大学を選ぶに際して名寄市立大学を希望する高校生の皆さんへメッセージをお願いします。
名寄市立大学は、北海道でもかなり北に位置する小さな地方都市にある小さな大学です。でも、その分「学生同士が近い!」「先生や大学が身近!」「町(市民)が近い!」そして「自然が近い!」「空が近い!」
そういうのを、最近は「豊かな」生活と言うのではないでしょうか。
名寄で4年間(児童学科においては2年間)、中身の濃い豊かな学生生活を送ってほしいと思っています。